感染経路の全てがまだはっきりと解明されてはいませんが、食べ物や飲み物との関係が指摘されています。ピロリ菌の感染力はそれほど強くなく、大人ではピロリ菌が体内に入っても胃の中に住み着くことは稀です。しかし、5歳までの乳幼児は胃酸の分泌も不十分ですし、免疫力も弱いですからピロリ菌が体内に入ると感染してしまいます。
現代の日本は上下水道が整備され、我々は衛生的な環境の中で生活していますが、戦前から戦争後すぐの時期は飲料水として井戸水を飲むことが普通に行われていました。この井戸水の中にピロリ菌がいたため、高齢者のピロリ菌感染率は非常に高いものになっています。では、もう若年者にはピロリ菌感染者はいないかというと、そんなことはありません。ピロリ菌に感染しているお母さんやおばあちゃんから経口感染で赤ちゃんに感染してしまう場合があるので、若年者でも割合は少ないですがピロリ菌感染者はいます。